3D VISION用「リアル輻輳距離」の設定方法

3D VISIONユーザー必見、iRacingで輻輳(ふくそう)距離を正しく設定する方法の紹介です。3Dにおける輻輳距離とは、物の飛び出し具合を調整するもので、これによって物が近くに見えたり、遠くに見えたりします。

輻輳距離設定の操作などはコチラを参照して下さい。
NVIDIA 3D VISION インプレと導入ガイド - iRacingレポート

車で言えば、輻輳距離を調節することで、ダッシュボードやステアリングが手前に飛び出したり、画面の奥へ行ったりします。ここで大切なのは、ステアリングが手前に来ているときは、車やコースが小さく感じられ、逆にステアリングが画面の奥へ行っているときは、車やコースが大きく感じられるようになることです。

「リアル輻輳距離」に設定するということは、物体との距離と大きさを本物と同じに見えるように設定するということです(3D深度100%のとき)。この設定は、臨場感を高め、空間認識を正確にする重要な効果があります。

※人によっては、物体が画面より手前に飛び出してくるように設定すると、違和感を生じたり、目が疲れてしまう場合もあります。その場合は無理をせず目にやさしいと感じる輻輳距離にして下さい。

では、「リアル輻輳距離」に設定する手順を解説していきます。


■手順1:リアルFOVに設定する
「リアルFOV」とは、FOV(視野角)の値を正しく設定することです。iRacingでは、OPTIONでモニターの数、大きさ、角度、モニターとの距離を入力することで、FOVを自動で計算してくれますので、まずはここをキッチリと設定しておきましょう。FOVが狂っていると、「リアル輻輳距離」の設定ができませんので注意して下さい。

■手順2:SCCA Spec Racer Fordに乗りこむ
今回の手順では、デフォルトコンテンツである「SCCA Spec Racer Ford(SRF)」を使って輻輳距離を設定していきます。下の画面にある、SRFのメーター。実車のこのメーターの直径が92mm(と推測される。理由は下記注釈参照)なので、3D VISION使用時に正しく92mmに見えるように設定すれば「リアル輻輳距離」に設定できたと言えます。

※なぜ実車のSRFのメーターが92mmであると推測できたかの解説。まず、フォロワーのレーサーTeru Kato(@teru12k)さんから、MX-5ロードスターのミラーの幅が193mmであるという情報を得ました。この情報を元に、iRacingのMX-5のミラーが193mmに見えるように「リアル輻輳距離」の設定をしたのです。その結果、物体の大きさをどれでも自由に測れるようになり、SRFのメーターが92mmであることも判明したという訳です。MX-5のミラーを使って輻輳距離を設定するには、カメラの操作等にかなりコツが必要になってしまうので、ここでは一番簡単そうなSRFを使って輻輳距離の設定をしていきます。

■手順3:3Dを切り、モニター上でメーターが92mmに見えるようにカメラを調節する
一旦、「Ctrl+T」(デフォルト設定)で、3Dを切って下さい。そして、リプレイ中にCOCKPIT画面にしてください。「Ctrl+F12」でカメラオプションを起動し、カメラ位置と角度を調節していきます。ここで使うカメラ操作の説明です。

・S=カメラを後ろに移動する
・W=カメラを前に移動する
・Ctrl+S=カメラの角度を下へ向ける
・Ctrl+W=カメラの角度を上へ向ける

最初に、Ctrl+Sで画面を下に向け、メーターが画面の中央に来るようにしましょう。次に、定規をモニターに当ててください。SとWでカメラを前後に移動させて、モニター上でメーターが92mmに見えるように調節して下さい。FOVは決して動かさないで下さい。

■手順4:3Dメガネなしでメーターがブレて見えないように輻輳距離を調節
3Dメガネを外した状態で、再度3D VISIONをONにして下さい。どうでしょうか、おそらくメーターがブレて見えていると思います。

ではここで、「Ctrl+F5」と「Ctrl+F6」(いずれもNVIDIAコントロールパネルデフォルト設定時)を使い、メーターの文字がブレなくなるように、輻輳距離を設定して下さい。

できましたか? これで「リアル輻輳距離」の設定は終了です。「Ctrl+F7」で輻輳距離を保存しておきましょう!(設定時に移動させたカメラの位置は、「SAVE CAR」で保存しない限り、シムを終了させるとリセットされます)

3D時に物体がブレて見えていないということは、モニターと同じ距離に、その物体があるということになります。そこで物体が正しい大きさに見えていれば、輻輳距離が正しいということになります。

「リアル輻輳距離」に設定した状態で、同様の方法でMX-5のミラーを見ると、本物と同じ193mmとなります。

■「リアル輻輳距離」で違和感が起きる原因はCOCKPITのカメラ位置
「リアル輻輳距離」に設定したのに、ハンドルの飛び出し具合や、ダッシュボードとの距離に違和感がある場合があります。この原因は、iRacingのCOCKPIT画面のカメラ位置が、ドライバーの目の位置にないことが主原因と考えられます。COCKPITのカメラ位置を正しく調節する「リアルCOCKPITカメラ」の設定はこちらです。
COCKPITカメラの位置を調整しよう(位置修正ファイル配布あり) - iRacingレポート