3画面に角度をつけたときの3D Visionの最適化(Windows10/DX11)

iRacingでは、3画面の3D Visionで画面に角度をつけると(Multi-Projectionをオン、旧Render each screen separately)、3Dの視差が通常の1/3になる不具合があります。3Dメガネを外して画面を見たとき、遠くにあるオブジェクトがおよそ2cmの幅でブレて見える状態がこれです(正常な視差は65mm)。

不具合の対処法がWindows7/DX9時代と変わっていますので、改めて紹介します。


レジストリを編集して画面の大きさを実際の1/3に設定する

視差が1/3になる不具合は、レジストリWindowsの設定)を編集すると解消できます。まず、レジストリを編集するアプリ、「レジストリエディター(regedit.exe)」を起動しましょう。Windowsの検索ボックスに「regedit」と入れて起動するか、Cドライブの「Windows」フォルダ内にある「regedit.exe」を起動します。

レジストリエディターを起動したら、画面の左側にあるツリーを操作して、
「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\NVIDIA Corporation\Global\Stereo3D」
を選択します。

この中に、「MonitorSize」という項目があるので、ダブルクリックして開きます。
表記の項目で、「10進数」を選択すると、「値のデータ」が自分が使用しているモニタサイズの倍の数字になります(27インチモニタでは54)。

3DVisionの視差が1/3になる不具合は、この「値のデータ」を1/3にすると解消します。
27インチモニタでは18(54の1/3)
24インチモニタでは16(48の1/3)
と設定すればOKです。


レジストリの値を編集不可に設定する

レジストリでモニタサイズを編集しても、iRacingを起動すると値が戻ってしまいます。そのため、システムが3DVision関連のレジストリを編集できないようにします。

レジストリエディターのツリーにある「Stereo3D」のフォルダアイコンを右クリックし、「アクセスの許可」を開きます。
「グループ名またはユーザー名」の項目で「System」を選び、画面の下にある「アクセス許可」の「フルコントロール」と「読み取り」の「拒否」にチェックを入れたあと、「OK」を選択します。

以上の操作で、3D VisionでMulti-Projectionをオンにしても、正しい視差で表示されるようになります。

Nvidiaのドライバのアップデートをするときは、上記のアクセス許可の拒否を解除して元の状態に戻してください

FOVと輻輳距離はあらかじめ設定しておく

上記の操作でレジストリを固定すると、輻輳距離の設定をしても設定の保存ができなくなります。そのため、輻輳距離はレジストリを変更・固定するまえに設定しておきましょう。

3D VISION用「リアル輻輳距離」の設定方法はこちらを参照してください
http://d.hatena.ne.jp/naoyanagai/20150627/1435383169

作業手順としては、Multi-Projectorのオプションをオンにする→FOVの設定をする→輻輳距離の設定をする→レジストリの編集と固定、の順番となります。


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