iRJL開幕戦インディアナポリス・・・タナボタならず

6月26日、iRJL GT 2015 Season3開幕戦がインディアナポリスロードコースで開催されました。ここはあまり走ったことはありませんでしたが、リズムをつかめば低速ながら流れるように走れるので、お気に入りのコースの一つとなりました。ちなみに、今シーズンは速いと噂のFord GTで出場します。
2015シーズン3 iRJL GTシリーズ開催お知らせ
iRJLに参戦すべき10の理由 - iRacingレポート

ラクティスでは感触がよかったものの、予選はコンマ4秒離されて2位。そして、決勝は48周レースだったのですが、この距離がかなり絶妙な設定でした。比較的燃費がいいFord GTではフルタンクで24.3周走れる計算だったので、少し燃料を節約すればギリギリ1ピットで走りきれそう。Z4やRUFはもう少し燃費が厳しかったようなので、Ford GT有利な展開と言えるでしょう。

さて、決勝。スタートで2位から3位へダウン。前の2台に着いて行きたかったのですが、ジリジリと離される展開になってしまいました。さらに、20周に近くなったところで、どうも24周走るには若干燃料が足りないことが判明し、ホームストレートとバックストレートで、F1で流行りのリフトアンドコースト(アクセルを抜いて惰性で走る)でなんとか燃費を節約していきました。

そして23周目終わり、なんとトップと2位が同時にピットイン。燃費が悪く24周まで行けなかった? 1ピットで行けば勝利確定か? そう思って2スティント目を意気揚々と走っていたものの、トップの5号車が見事な燃費マネージメントで2スティント目を25周と伸ばし、そのままゴールまで走り切ってしまいました。

レース直後はすごく悔しかったですが、まぁタナボタ期待してもダメということですね。やはりトップドライバーは腕も戦略も燃費マネジメントも上手い。正直脱帽です。iRJL未勝利がかなり長いこと続いてますがいつか勝てる日は来るのでしょうか。次戦は7月10日、ワトキンスグレンです。


■レース結果(リンク)
・シリーズ:iRJL
・コース:Indianapolis Motor Speedway - Road Course
・車種:Ford GT GT3
・予選2位/決勝2位(参加16台)

3D VISION用「リアル輻輳距離」の設定方法

3D VISIONユーザー必見、iRacingで輻輳(ふくそう)距離を正しく設定する方法の紹介です。3Dにおける輻輳距離とは、物の飛び出し具合を調整するもので、これによって物が近くに見えたり、遠くに見えたりします。

輻輳距離設定の操作などはコチラを参照して下さい。
NVIDIA 3D VISION インプレと導入ガイド - iRacingレポート

車で言えば、輻輳距離を調節することで、ダッシュボードやステアリングが手前に飛び出したり、画面の奥へ行ったりします。ここで大切なのは、ステアリングが手前に来ているときは、車やコースが小さく感じられ、逆にステアリングが画面の奥へ行っているときは、車やコースが大きく感じられるようになることです。

「リアル輻輳距離」に設定するということは、物体との距離と大きさを本物と同じに見えるように設定するということです(3D深度100%のとき)。この設定は、臨場感を高め、空間認識を正確にする重要な効果があります。

※人によっては、物体が画面より手前に飛び出してくるように設定すると、違和感を生じたり、目が疲れてしまう場合もあります。その場合は無理をせず目にやさしいと感じる輻輳距離にして下さい。

では、「リアル輻輳距離」に設定する手順を解説していきます。


■手順1:リアルFOVに設定する
「リアルFOV」とは、FOV(視野角)の値を正しく設定することです。iRacingでは、OPTIONでモニターの数、大きさ、角度、モニターとの距離を入力することで、FOVを自動で計算してくれますので、まずはここをキッチリと設定しておきましょう。FOVが狂っていると、「リアル輻輳距離」の設定ができませんので注意して下さい。

■手順2:SCCA Spec Racer Fordに乗りこむ
今回の手順では、デフォルトコンテンツである「SCCA Spec Racer Ford(SRF)」を使って輻輳距離を設定していきます。下の画面にある、SRFのメーター。実車のこのメーターの直径が92mm(と推測される。理由は下記注釈参照)なので、3D VISION使用時に正しく92mmに見えるように設定すれば「リアル輻輳距離」に設定できたと言えます。

※なぜ実車のSRFのメーターが92mmであると推測できたかの解説。まず、フォロワーのレーサーTeru Kato(@teru12k)さんから、MX-5ロードスターのミラーの幅が193mmであるという情報を得ました。この情報を元に、iRacingのMX-5のミラーが193mmに見えるように「リアル輻輳距離」の設定をしたのです。その結果、物体の大きさをどれでも自由に測れるようになり、SRFのメーターが92mmであることも判明したという訳です。MX-5のミラーを使って輻輳距離を設定するには、カメラの操作等にかなりコツが必要になってしまうので、ここでは一番簡単そうなSRFを使って輻輳距離の設定をしていきます。

■手順3:3Dを切り、モニター上でメーターが92mmに見えるようにカメラを調節する
一旦、「Ctrl+T」(デフォルト設定)で、3Dを切って下さい。そして、リプレイ中にCOCKPIT画面にしてください。「Ctrl+F12」でカメラオプションを起動し、カメラ位置と角度を調節していきます。ここで使うカメラ操作の説明です。

・S=カメラを後ろに移動する
・W=カメラを前に移動する
・Ctrl+S=カメラの角度を下へ向ける
・Ctrl+W=カメラの角度を上へ向ける

最初に、Ctrl+Sで画面を下に向け、メーターが画面の中央に来るようにしましょう。次に、定規をモニターに当ててください。SとWでカメラを前後に移動させて、モニター上でメーターが92mmに見えるように調節して下さい。FOVは決して動かさないで下さい。

■手順4:3Dメガネなしでメーターがブレて見えないように輻輳距離を調節
3Dメガネを外した状態で、再度3D VISIONをONにして下さい。どうでしょうか、おそらくメーターがブレて見えていると思います。

ではここで、「Ctrl+F5」と「Ctrl+F6」(いずれもNVIDIAコントロールパネルデフォルト設定時)を使い、メーターの文字がブレなくなるように、輻輳距離を設定して下さい。

できましたか? これで「リアル輻輳距離」の設定は終了です。「Ctrl+F7」で輻輳距離を保存しておきましょう!(設定時に移動させたカメラの位置は、「SAVE CAR」で保存しない限り、シムを終了させるとリセットされます)

3D時に物体がブレて見えていないということは、モニターと同じ距離に、その物体があるということになります。そこで物体が正しい大きさに見えていれば、輻輳距離が正しいということになります。

「リアル輻輳距離」に設定した状態で、同様の方法でMX-5のミラーを見ると、本物と同じ193mmとなります。

■「リアル輻輳距離」で違和感が起きる原因はCOCKPITのカメラ位置
「リアル輻輳距離」に設定したのに、ハンドルの飛び出し具合や、ダッシュボードとの距離に違和感がある場合があります。この原因は、iRacingのCOCKPIT画面のカメラ位置が、ドライバーの目の位置にないことが主原因と考えられます。COCKPITのカメラ位置を正しく調節する「リアルCOCKPITカメラ」の設定はこちらです。
COCKPITカメラの位置を調整しよう(位置修正ファイル配布あり) - iRacingレポート

外部カメラをリアルFOVに設定して実車の迫力を体感

3D VISIONの楽しみのひとつが、外部カメラで車を眺めることですね。ここで「車が実車と同様の大きさに感じられる」ようにするには、いくつかの条件が必要になります。その条件とは、

・3D深度が100%である
輻輳距離が正しく設定されている(下記ページ参照)

3D VISION用「リアル輻輳距離」の設定方法 - iRacingレポート
・外部カメラのFOVが「リアルFOV」(正しい視野角)である
・カメラタイプが「Static Fov」である

の4つです。

ここでは、外部カメラのFOVを「リアルFOV」に設定する手順を解説します。

■手順1:COCKPIT視点で表示される範囲を覚えておく
まず、好きな車に乗り込みましょう。ここでは「Ctrl+T」(デフォルト時)を押して、3D VISIONを切っておくといいです。つぎに、COCKPIT視点で表示される範囲を覚えます。これは頭で覚えるよりは、写真を撮るなどしておくといいかもしれません。

■手順2:カメラオプションで外部カメラ用リアルFOV値を確認
リプレイ中のCOCKPIT視点で「Ctrl+F12」でカメラオプションを起動して下さい。ここで「Ctrl+Z」を押すと、フリーカメラに切り替わります。すると、FOVがぐっと広くなったかと思います。

つぎに、キーボードの"[キー"と、" ]キー"を使って、手順1で覚えておいた表示範囲と同じになるように、FOVを狭くしていきましょう。表示範囲が手順1と同じに戻ったら、カメラオプションにあるFOVの値を覚えて下さい。これが、「外部カメラ用のリアルFOVの値」になります。


自分の環境では、コクピット視点でのFOVは103度。外部カメラ用リアルFOVの値は39.60度となりました。

■手順3:外部カメラのFOVの値をリアルFOVの値にする
手順2で計測した「外部カメラ用リアルFOV」の値は、「Chaseカメラ」や「RF Suspカメラ」のように、カメラタイプが「Static Fov」に設定されているカメラにのみ有効です。「TV1」などは基本的にカメラタイプが「Zoom」になっていますので、カメラオプション内で「Zoom」→「Static Fov」に切り替えて下さい(「Ctrl+M」でも切り替えが可能)。

これで、カメラのFOVを設定ができました。早速3DをONにして車を眺めてみましょう。「Ctrl+F12」でカメラオプションを起動しておけば、カメラを自由に動かして様々な角度と距離から車を眺めることができます。きっと、実車がまるで目の前にあるかのように感じられることでしょう。

おもなカメラ操作

・W=前進
・S=後退
・A=左へ移動
・D=右へ移動
・Ctrl+A=左を向く・Ctrl+D=右を向く
・Ctrl+W=上を向く
・Ctrl+S=下を向く
・Alt+W=上に移動
・Alt+S=下に移動
・Ctrl+Z=フリーカメラ

フリーカメラ時の操作
・マウス左クリック=前進
・マウス右クリック=後退
・マウス操作=視点移動
(通常のカメラ操作も機能します)

COCKPITカメラの位置を調整しよう(位置修正ファイル配布あり)

iRacingでは、COCKPITカメラ(ドライブ中のカメラ)の位置を簡単に調整できます。カメラの調整は車ごとに個別に設定、保存ができます。

また、デフォルトのCOCKPITカメラの位置は、シム中で表示されているドライバーの目の位置とズレていることがよくあります。車によっては、ドライバーの後頭部あたりにカメラがあることもあり、この場合は20センチほどのズレになってしまいます。今回、このズレを修正するためのカメラファイルを用意しました。この修正によって、視界やハンドルとの距離が変わってきます。

ただし、ドライバーの目の位置は、本来ドライバーの体格やシート調整でいくらでも変わるわけですから、修正後のCOCKPITカメラ位置が絶対とは言えません。ですので、修正したカメラ位置を基本としたうえで、実車の構造的に妥当と言える範囲で自由に変更して下さい。例えば、フォーミュラでシートを後ろに下げる行為は不自然ですが、ヘルメットの高さを低くするといった修正は妥当です。

では、最初にカメラ位置を変更する基本的な方法を紹介します。

■手順1:リプレイ中にCOCKPITカメラにする
COCKPITカメラの修正は、リプレイ画面で行います。車を降りたあと、リプレイでカメラをCOCKPITにしましょう。

■手順2:カメラオプションでシート位置を変更する
「Ctrl+F12」でカメラオプションを表示します。下記の操作でカメラを移動させます(位置は一定の範囲内でのみ移動可能です)。

おもなカメラ操作

・W=前進
・S=後退
・Ctrl+W=上を向く
・Ctrl+S=下を向く
・Alt+W=上に移動
・Alt+S=下に移動


■手順3:ファイル名を決めて保存する
カメラ位置を調節したら、カメラオプションにある「SAVE CAR」ボタンを押して保存しておきましょう。ファイル名は任意で大丈夫です。次回、この車に乗った時は、最後に保存したカメラファイルが自動的に読み込まれます。


■修正用ファイルの配布
ここでは、カメラ位置をドライバーの目の位置(両目の中心)に合わせて移動させた修正ファイルを配布します。まず、以下のファイルをダウンロード、解凍して下さい。

COCIPITカメラ修正用ファイル(Download)

解凍してできた「cameras」フォルダを、マイドキュメントの「iRacing」フォルダにそのまま入れて下さい。

ファイルを読み込むには、「Ctrl+F12」でカメラオプションを表示し、「LOAD CAR」ボタンを押します。ファイル選択画面で「realcar.cam」を選択すると、修正後のカメラ位置に変更されます(修正不要の車種もrealcar.camファイルを用意してあります)。

以下は、今回の修正ファイルでの修正値です。X(Offset X)は前後、Z(Offset Z)は上下の修正値です。単位はメートルです。上記の修正ファイルを使えば個別に入力する必要はありませんが、参考にしてください。

車種別COCKPITカメラ修正用数値

・Aston Martin DBR9 GT1:修正不要
BMW Z4 GT3:修正不要
・Cadillac CTS-V Racecar:X=0.700、Z=-0.035
・Chevrolet Corvette C6.R GT1:X=0.030、Z=-0.020
・Chevrolet Impala Old Class B:X=0.100、Z=0.050
・Chevrolet Impala-COT:X=0.120、Z=0.010
・Chevrolet Monte Carlo SS:X=0.150、Z=0.020
・Chevrolet Silverado - circa 2013:X=0.100、Z=-0.015
・Dallara DW12:修正不要
・Dallara IndyCar - circa 2011:X=0.030
・Ford Falcon FG V8:X=0.020、Z=0.000
・Ford Falcon FG01 V8 - circa 2012:X=0.050、Z=-0.030
・Ford GT:X=0.070、Z=0.020
・Ford GT GT3:X=0.080、Z=0.020
・Ford Mustang FR500S:X=0.060、Z=-0.020
・Holden Commodore VF V8:X=0.020
・HPD ARX-01c:X=0.080、Z=0.020
・Kia Optima:X=0.030
・Legends Ford '34 Coupe:X=0.060、Z=0.015
・Legends Ford '34 Coupe - Rookie:X=0.060、Z=0.015
・Lotus 49:X=0.050
・Lotus 79:X=0.090、Z=0.015
Mazda MX-5 Cup:X=0.080、Z=0.025
Mazda MX-5 Roadster:X=0.080、Z=0.010
・McLaren MP4-12C GT3:X=0.040、Z=0.015
・Modified - NASCAR Whelen Tour:X=-0.030、Z=0.050
・Modified - SK:X=-0.030、Z=0.050
NASCAR Camping World Chevrolet Silverado:X=0.030、Z=-0.010
NASCAR Camping World Toyota Tundra:X=0.030、Z=-0.010
NASCAR K&N Pro Chevrolet Impara:X=0.090、Z=0.050
NASCAR Sprint Cup Chevrolet SS:X=0.030、Z=0.015
NASCAR Sprint Cup Ford Fusion:X=0.030、Z=0.015
NASCAR Sprint Cup Toyota Camry:X=0.030、Z=0.020
NASCAR XFINITY Chevrolet Camaro:修正不要
NASCAR XFINITY Ford Mustang:修正不要
・Pontiac Solstice:X=0.200、Z=-0.030
・Pontiac Solstice - Rookie:X=0.200、Z=-0.030
・Radical SR8:X=0.100、Z=-0.045
・Riley MkXX Daytona Prototype:X=0.120、Z=-0.015
Ruf RT 12R AWD:X=0.200
Ruf RT 12R C-Spec:X=0.200
Ruf RT 12R RWD:X=0.200
Ruf RT 12R Track:X=0.200
・SCCA Spec Racer Ford:X=0.145、Z=0.025
・Silver Crown:修正不要
・Skip Barber Formula 2000:X=0.065
・Sprint Car:X=0.065、Z=0.025
・Star Mazda:X=0.100、Z=0.010
・Street Stock:X=0.100、Z=-0.040
・Super Late Model:X=0.025、Z=0.015
VW Jetta TDI Cup:X=0.040、Z=0.010
・Williams-Toyota FW31:X=0.055、Z=0.005