3D VISION用「リアル輻輳距離」の設定方法

3D VISIONユーザー必見、iRacingで輻輳(ふくそう)距離を正しく設定する方法の紹介です。3Dにおける輻輳距離とは、物の飛び出し具合を調整するもので、これによって物が近くに見えたり、遠くに見えたりします。

輻輳距離設定の操作などはコチラを参照して下さい。
NVIDIA 3D VISION インプレと導入ガイド - iRacingレポート

車で言えば、輻輳距離を調節することで、ダッシュボードやステアリングが手前に飛び出したり、画面の奥へ行ったりします。ここで大切なのは、ステアリングが手前に来ているときは、車やコースが小さく感じられ、逆にステアリングが画面の奥へ行っているときは、車やコースが大きく感じられるようになることです。

「リアル輻輳距離」に設定するということは、物体との距離と大きさを本物と同じに見えるように設定するということです(3D深度100%のとき)。この設定は、臨場感を高め、空間認識を正確にする重要な効果があります。

※人によっては、物体が画面より手前に飛び出してくるように設定すると、違和感を生じたり、目が疲れてしまう場合もあります。その場合は無理をせず目にやさしいと感じる輻輳距離にして下さい。

では、「リアル輻輳距離」に設定する手順を解説していきます。


■手順1:リアルFOVに設定する
「リアルFOV」とは、FOV(視野角)の値を正しく設定することです。iRacingでは、OPTIONでモニターの数、大きさ、角度、モニターとの距離を入力することで、FOVを自動で計算してくれますので、まずはここをキッチリと設定しておきましょう。FOVが狂っていると、「リアル輻輳距離」の設定ができませんので注意して下さい。

■手順2:SCCA Spec Racer Fordに乗りこむ
今回の手順では、デフォルトコンテンツである「SCCA Spec Racer Ford(SRF)」を使って輻輳距離を設定していきます。下の画面にある、SRFのメーター。実車のこのメーターの直径が92mm(と推測される。理由は下記注釈参照)なので、3D VISION使用時に正しく92mmに見えるように設定すれば「リアル輻輳距離」に設定できたと言えます。

※なぜ実車のSRFのメーターが92mmであると推測できたかの解説。まず、フォロワーのレーサーTeru Kato(@teru12k)さんから、MX-5ロードスターのミラーの幅が193mmであるという情報を得ました。この情報を元に、iRacingのMX-5のミラーが193mmに見えるように「リアル輻輳距離」の設定をしたのです。その結果、物体の大きさをどれでも自由に測れるようになり、SRFのメーターが92mmであることも判明したという訳です。MX-5のミラーを使って輻輳距離を設定するには、カメラの操作等にかなりコツが必要になってしまうので、ここでは一番簡単そうなSRFを使って輻輳距離の設定をしていきます。

■手順3:3Dを切り、モニター上でメーターが92mmに見えるようにカメラを調節する
一旦、「Ctrl+T」(デフォルト設定)で、3Dを切って下さい。そして、リプレイ中にCOCKPIT画面にしてください。「Ctrl+F12」でカメラオプションを起動し、カメラ位置と角度を調節していきます。ここで使うカメラ操作の説明です。

・S=カメラを後ろに移動する
・W=カメラを前に移動する
・Ctrl+S=カメラの角度を下へ向ける
・Ctrl+W=カメラの角度を上へ向ける

最初に、Ctrl+Sで画面を下に向け、メーターが画面の中央に来るようにしましょう。次に、定規をモニターに当ててください。SとWでカメラを前後に移動させて、モニター上でメーターが92mmに見えるように調節して下さい。FOVは決して動かさないで下さい。

■手順4:3Dメガネなしでメーターがブレて見えないように輻輳距離を調節
3Dメガネを外した状態で、再度3D VISIONをONにして下さい。どうでしょうか、おそらくメーターがブレて見えていると思います。

ではここで、「Ctrl+F5」と「Ctrl+F6」(いずれもNVIDIAコントロールパネルデフォルト設定時)を使い、メーターの文字がブレなくなるように、輻輳距離を設定して下さい。

できましたか? これで「リアル輻輳距離」の設定は終了です。「Ctrl+F7」で輻輳距離を保存しておきましょう!(設定時に移動させたカメラの位置は、「SAVE CAR」で保存しない限り、シムを終了させるとリセットされます)

3D時に物体がブレて見えていないということは、モニターと同じ距離に、その物体があるということになります。そこで物体が正しい大きさに見えていれば、輻輳距離が正しいということになります。

「リアル輻輳距離」に設定した状態で、同様の方法でMX-5のミラーを見ると、本物と同じ193mmとなります。

■「リアル輻輳距離」で違和感が起きる原因はCOCKPITのカメラ位置
「リアル輻輳距離」に設定したのに、ハンドルの飛び出し具合や、ダッシュボードとの距離に違和感がある場合があります。この原因は、iRacingのCOCKPIT画面のカメラ位置が、ドライバーの目の位置にないことが主原因と考えられます。COCKPITのカメラ位置を正しく調節する「リアルCOCKPITカメラ」の設定はこちらです。
COCKPITカメラの位置を調整しよう(位置修正ファイル配布あり) - iRacingレポート

iRJL開幕戦インディアナポリス・・・タナボタならず

6月26日、iRJL GT 2015 Season3開幕戦がインディアナポリスロードコースで開催されました。ここはあまり走ったことはありませんでしたが、リズムをつかめば低速ながら流れるように走れるので、お気に入りのコースの一つとなりました。ちなみに、今シーズンは速いと噂のFord GTで出場します。
2015シーズン3 iRJL GTシリーズ開催お知らせ
iRJLに参戦すべき10の理由 - iRacingレポート

ラクティスでは感触がよかったものの、予選はコンマ4秒離されて2位。そして、決勝は48周レースだったのですが、この距離がかなり絶妙な設定でした。比較的燃費がいいFord GTではフルタンクで24.3周走れる計算だったので、少し燃料を節約すればギリギリ1ピットで走りきれそう。Z4やRUFはもう少し燃費が厳しかったようなので、Ford GT有利な展開と言えるでしょう。

さて、決勝。スタートで2位から3位へダウン。前の2台に着いて行きたかったのですが、ジリジリと離される展開になってしまいました。さらに、20周に近くなったところで、どうも24周走るには若干燃料が足りないことが判明し、ホームストレートとバックストレートで、F1で流行りのリフトアンドコースト(アクセルを抜いて惰性で走る)でなんとか燃費を節約していきました。

そして23周目終わり、なんとトップと2位が同時にピットイン。燃費が悪く24周まで行けなかった? 1ピットで行けば勝利確定か? そう思って2スティント目を意気揚々と走っていたものの、トップの5号車が見事な燃費マネージメントで2スティント目を25周と伸ばし、そのままゴールまで走り切ってしまいました。

レース直後はすごく悔しかったですが、まぁタナボタ期待してもダメということですね。やはりトップドライバーは腕も戦略も燃費マネジメントも上手い。正直脱帽です。iRJL未勝利がかなり長いこと続いてますがいつか勝てる日は来るのでしょうか。次戦は7月10日、ワトキンスグレンです。


■レース結果(リンク)
・シリーズ:iRJL
・コース:Indianapolis Motor Speedway - Road Course
・車種:Ford GT GT3
・予選2位/決勝2位(参加16台)

iRJLに参戦すべき10の理由

今、自分がもっとも力を入れて参戦しているのが、日本人iRacerが集うiRJL(iRacing Japan League)です。これは皆さんご存知のiRJAさんが主催されているリーグ戦であり、現在は、GT3車両を使用したシリーズ戦「iRJL GT 2015 Season3」が開催されています。
2015シーズン3 iRJL GTシリーズ開催お知らせ

参加された方は実感していると思いますが、iRJLのレースは本当に面白くて熱いんです! いつものオフィシャルレースとは、ひと味もふた味も違います。今後もっと多くのiRacerに参加してもらうために、その魅力を「iRJLに参戦すべき10の理由」としてまとめてみましょう。


■理由その1:日本人同士のレースは熱い!
iRJLに参加しているのは、全員が日本人。当然、外国人iRacer相手のオフィシャルレースとは、レースの雰囲気は全く違います。自分の場合は、良いレースをしたいという気持ちはオフィシャルレースの何倍も強くなりますし、気合も入ります。チャットで日本語で気兼ねなく話せるのもいいですね。

レースシムをやっていると、日本人同士でレースをしたいという欲求は誰しも抱くものだと思いますが、それを叶えてくれる最適解がiRJLだと言えるでしょう。また、続けてリーグに参戦していれば、自分の実力と近いライバルがきっと見つかるはずです。ライバルと切磋琢磨することはモチベーションを高めることに繋がりますね。


■理由その2:リーグ登録やレース参加がとても簡単
iRJLのレースに出走するための準備は、事前にiRJLに登録するだけでほぼ完了。すると、リーグセッションのページから、iRJLで開催中、または開催予定のセッションを確認できるようになります。開催時間になると、セッション一覧にあるボタンから簡単にレースへジョインできる仕組みです(パスワードは不要)。レースのルールや開催予定は、iRJAさんが告知して下さっているので、ForumやTwitterで確認して下さい。
iRJAさんのTwitter
iRJLへの登録方法/レース参加&開催方法
iRJL(トップページ)
リーグセッション


■理由その3:中身の濃い練習とレースで技術向上
現在iRJLでは、火曜日と木曜日の22〜24時にプラクティスセッション、金曜日22時〜にレースが開催されています。じっくりと練習する機会が設けられているので、ここで速い人の走りを見たり、セッティングを交換したりして、技術の向上を図ることができます。また多くの方がTwitterを使われているので、セッション内だけでなく、セッション後に情報交換をすることも多いですよ。


■理由その4:1発本番の緊張感の高いレース
iRJLは2週間に1度のレースなので、実車同様、失敗できない1発本番のレースとなります。週に何度も開催されるオフィシャルレースと比べると、その緊張感は半端ないです。その分、失敗した時の悔しさは大きいですし、良い結果で終えた時の喜びもとても大きいものがあります。いちどでもiRJLの緊張感のあるレースを体験すると、病みつきになります。


■理由その5:人数が多いほど盛り上がる
レースは参加台数が多いほうが面白い、これは絶対です。人数が多ければ、スタートからゴールまで、バトルの絶えないレースとなることは間違いありませんね。前シリーズであるiRJL GT 2015シーズン2は、開催された6戦いずれも20名前後が参加、シーズンを通して見ると全部で34名が参加されました。今後参加台数が増えていけば、いずれは常時30台以上のレースも可能になるはずです。参加人数が多そうなら出てみようではなく、皆で率先して出場して盛り上げていきましょう(笑)


■理由その6:人気のGT3車両を使用
現在開催されているiRJL GTは、BMW Z4、Ford GT GT3、McLaren MP4-12C、RUF TrackのGT3車両4車種の混走です(いずれか1車種を持っていれば参加可能)。これは、オフィシャルレースの中でも特に人気の高い、ブランパンスプリント&ブランパン耐久と同じ使用車種なのです。iRJLで腕を磨いてブランパンにデビュー、またはブランパンで磨いた腕を活かしてiRJLで上位を目指すのもいいでしょう。GT3車両は8月に開催されるスパ・フランコルシャン24時間レースなどでも使われますので、練習しておいて決して損はないです。


■理由その7:戦略性の高いレースを楽しめる
iRJL GTの決勝は、約70〜80分のレース長になっています。燃料タンクは50%に制限されているため、基本的には2回のピット作業が必要となります。どのタイミングでピットに入るか、どれだけ給油するか、タイヤを交換するのかしないのかという戦略は、すべて自由。第1、第2スティントを長くとって、第3スティントを短くする人もいれば、スティントを均等に割る方もいます。優れたタイヤマネージメント、燃料マネージメント、ピット戦略によって逆転するチャンスも出てくるでしょう。Fast Repairを3回まで使えるので、序盤でダメージを受けても、ピットで修復すればポジションを取り戻すことも十分に可能です。


■理由その8:F1形式のポイントシステム
リーグのポイントシステムは、モータースポーツファンにはおなじみのF1形式です。1位25点、2位18点、3位15点と続き、10位までが入賞できます。全員にポイントがつき、さらに順位によるポイント差が少ないオフィシャルレースと比べると、上位入賞の価値が大きいのが魅力ですね。


■理由その9:隔週開催なので余裕を持って参加できる
iRJLは2週間にいちど開催されています。練習する時間もたっぷり取れますし、オフィシャルレースに参戦しながらでも、余裕をもって参加できるでしょう。もちろん全戦参加する必要はありません。時間に余裕があるときにスポットでもいいのでぜひ参加してみてください。


■理由その10:プロライセンス保持者&経験者も参戦!
iRacingには、ほんの一握りのレーサーしか獲得できないプロ及びワールドプロライセンス(通称黒帯)がありますが、日本人iRacerにもこれらのライセンスを獲得した猛者が何人もおり、iRJLにも参戦しています。もちろん彼らを倒すのは至難の業ですが、その走りを見るだけでも大いに参考になります。自分も連敗続きですが、もし彼らに勝って優勝できればその喜びはひとしおでしょう。


さてさて。以上長々と書いてきましたが、この楽しさ、面白さは文章では決して伝わるものではないと思います。ぜひ、ご友人ご家族お誘い合わせのうえ、iRJLに参加してみてください。ちなみに、Season1と2では一度もPPなし、優勝もできませんでしたが、コツコツポイントを稼げたおかげでどちらもランキングトップで終えられました。Season3はもっと腕と戦略を磨いてぜひ優勝したいところです。それではレースでお会いしましょう(^O^)/

3D VISION・SIMVIBE対応SUSコクピットの紹介

今年に入り、SUS社のアルミフレームでコクピットを組み立てました。設計と調節の自由度が高く、理想的なドライビングポジションを追求できるSUSコクピットは、レースシムを初めた当初からの夢でしたが、やっと実現できました。基本的な設計及びSIMVIBEの導入などは、先駆者である、うk@ukfunkさんのブログを多分に参考にさせて頂いております。ありがとうございます。以下、コクピの詳細を紹介します。
Groovy Clutch(うkさんのブログ)
SUS FA Factory Automation

ステアリングは、FanatecのClubSport Wheel Base V2です。回転が滑らかなブラシレスモーターはiRacingの細やかなFFBを忠実に再現します。最大FFBが8Nmと、一般的に販売されているステアリングの中では最も強いのも魅力ですね。ステアリングリムはBMWタイプとフォーミュラタイプの2種類を車種に合わせて使い分けています。クイックリリースが搭載されているので、リムの交換はとても簡単です。
ClubSport Wheel Base V2 Servo
ClubSport steering wheel BMW GT2 JAPAN
ClubSport steering wheel Formula Black JAPAN

シフターは、シーケンシャルとHパターンを簡単に切り替えられるFanatecのClubSport Shifter SQです。シフトの重さを自由に変えることができ、重めに設定するととてもいいフィーリングを得られます。同梱されているシフトノブは、丸型と、やや太めのスティック型ですが、スリムな市販のものに差し替えました。フォーミュラ風のレイアウトになるように、アルミプレートと金属スペーサーを使って少し内側に傾くように設置してあります。
ClubSport Shifter SQ
セイワ(SEIWA)ノブ スポーツノブ メタルブラック Y26

シフトインジケーターには、シムレーサーにはおなじみのLeo Bodnar社製のSLI-Proを使用。ギア表示、ラップタイム、セッション残り時間などを表示しています。アルミケースはLeo Bodnar純正。市販のステーでClubSport Wheel Base V2に固定してあります。
Shift Light Indicator Controller (SLI-Pro)
SLI-Pro Aluminium Enclosure

サブモニターは8インチのplus one(LCD-8000V)。グラフィックボードからVGAで接続しています(DisplayLinkを使用するUSBタイプのサブモニターはNVIDIAグラフィックボードとは相性が悪いため、オススメしません)。モニターにはiSpeedを表示。おもに燃料使用量を見るのに使っています。耐久レースなどで有効ですね。その下にあるボタンボックスはDerek Speare Designsのもの。レースシムは使うボタンが多いのでこういうボックスがあると便利です。
http://www.century.co.jp/products/pc/monitor/lcd-8000v.html
iSpeed - iRacing HUD and Lap Analyzer
Derek Speare Designs - Main

このコクピットの最大の特徴が、以前紹介した3D立体視システムであるNVIDIA 3D VISIONです。サーキットが完全な3Dで表現されるため、没入感が格段に上がります。iRacingでRender each screen separatelyをOFFにしたときに自然な3D描写とするため、3つの画面が完全にフラットになるように設置してあります。モニターは27インチ、モニターとの距離は720mmで、FOVは105度となります。また、頭を上下左右前後に平行移動したときに3D表現が自然になるようにTRACK IR 5も導入していますが、ドライビング中は頭をほとんど動かさないので使用頻度は低めです。左右の振り向きには使用していません。Euro Track Simulatorなどのドライブものをプレイするときには良いと思います。
NVIDIA 3D VISION(導入ガイド)
http://www.mikimoto-japan.com/beans/products/track_ir5/index.htm

車体に伝わる衝撃を低周波のバイブレーションに変換してコクピットに伝えるSIMVIBEは、臨場感を高めるのにとても有効なシステムです。フロントの左右に、上海問屋から発売されている(いた?)50Wのトランスデューサ、バケットシートの背面と底に、AURA BASS SHAKER AST-1B-4(発売終了)を1基ずつ計2基設置しています。振動の強さはAURA製のものが上海問屋のものの倍近くあり、内臓まで揺れそうなほどの強力な振動を発生させます。フロントの振動はステレオ、リアはステレオ振動を一度合成したあと、バケットシートの2基のバスシェイカーに再分配しています。アンプはいわゆる中華アンプと呼ばれる格安のもの。フロント用に1基、バケット用に2基です。
Groovy Clutch: SimVibe構築ガイド
SimVibe Multi-Dimensional Tactile Feedback
50Wハイパワー振動ユニット 上海問屋 DN-82305
振動ユニットBassShaker の仕様、カタログ、通信販売


SIMVIBEの振動をフルパワーで使うと、階下に大変な騒音を伝えてしまうので、騒音低減のために、うkさん直伝のディスクふにゃふにゃシステムを導入。同システムの効果は抜群で、ほとんど床に振動が伝わりません。
Groovy Clutch: SimVibeにディスクふにゃふにゃシステム
La・VIE(ラ・ヴィ) バランスファイター 3B-4728

中央のモニターは、シフターと同様にアルミプレートと金属スペーサーを使って固定。左右のモニターは、サンコーのモニターアームをSUSのブラケットで挟む形で固定して使用しています。モニターアームは微調整が簡単なので、設置性が大幅に上がります。将来的にモニターの角度を変える場合にも有効です。
サンコー 4軸式くねくねアーム(ポール取り付け用部品)

ペダルは以前から使用しているT500RS用のものを引き続き使用。コクピの裏に置かれたT500RS本体を経由してPCに繋いでいます。ブレーキペダルが軽いため、一旦ペダルをばらし、ブレーキペダルの底に防振ゴムを挟むことでペダルが重くなるように工夫しています。

キーボードはモニターアーム(余りパーツで延長)の先に固定。ステアリングリムを外してキーボードを移動させると、PCの通常使用に適したポジションにトランスフォームします。

PC構成はi7-4790K+NVIDIA GTX980Ti。980TiはTITAN Xに迫るハイパワーとメモリ6GBが特徴ですがiRacingに関してはオーバースペックかなと思います。

ヘッドセットはゼンハイザーのPC360。耳への当たりが柔らかく、3Dメガネをかけていても痛くなりにくいです。
http://www.senncom.jp/pc/pc360/

コクピットの設計に使用した簡易的な図面です。GT3車両をイメージしたポジションになっています。

ClubSport Wheel Base V2、ClubSport Shifter SQ、モニターの固定に使用したアルミプレートの図面です。

おまけ。背面のスパゲッティケーブル。接続機器が多いとがんばってまとめてもこうなっちゃいますね。まとめ過ぎても整備性が落ちるので難しいところです。
BUFFALO ケーブルボックス 電源タップ&ケーブル収容 Lサイズ

iRacingインディ500初優勝!

世界最大のレースイベント、インディ500マイルレース。モントーヤが勝利した2015年インディ500の1週間後に行われた、iRacing版インディ500に参加してきました。


iRacingでもインディ500は、のべ2000人以上のiRacerが参加する、年に1度のビッグイベントなんです。2014年はサーバー落ちで全レースキャンセルとなったため、実に2年ぶりの開催となりました。自分は今年で3年目の出場。過去成績は、2012年に2位と優勝まであと一歩まで迫るものの(ルーキーだらけの低SOFのレースでしたが)、2013年は2レースに参加して26位(ピットレーンでスピンクラッシュ)と15位と散々な結果でした。

今年こそは、と意気込んでいたわけですが、レース前に最大のアクシデントが発生。今年は予選が火曜〜木曜しかないというアナウンスを見逃してしまい、なんと予選ノータイムに。結果、予選ノータイムの人同士でレースをすることになりました(日本人含め、ノータイムの人はかなりたくさんいたので、知らなかった人はかなり多かったようですね)。

決勝は、5月30日(土)、31日(日)に合計4回行われます。自分は、4レースのうちの一発目、土曜朝10時のレースに出場しました。あとで確認したところ、全19スプリットの11番目。SOF2385なので、平均より少し上の実力の人が集まった感じでしょうか。

用意したセットアップは、KOHTA@markfreaksさんから頂いたものを少しフロントウィングを立てる方向に調整したもの。インディでは他車の真後ろにつくとプッシュ(アンダーステア)気味になるので、車自体にインに向かっていく力がないと接近戦がとても厳しくなってしまいます。さらに、プッシュが出はじめると一気にフロントタイヤが摩耗してタイムが落ちてしまうので、タイヤマネージメントという意味でもフロントウィングの調節はとても重要という訳です。

さて、決勝の展開ですが、このセットアップがピタリとはまりました。スティントの序盤は自分よりも速い人がちらほらいたのですが、10〜15周を過ぎた頃に皆大きくタイムを落としていきます。自分のマシンはスティント中〜終盤でもタイムの落ちが少なく、12番スタートから順調に順位を上げることができました。そして47Lap目に5最初のラップリード!

その後は、残りラップ数を見ながら、いつコーションが出るのか、どこでピットに入るか、そしてアクシデントを起こさない&巻き込まれないことのみに集中。リスタートで前に出られても数周でトップを取り戻せたので、ほとんどの場面でレースをコントロールできたと言えるでしょう。ラップリードも97周で最多。途中、目の前で他車がクラッシュしてヒヤリとする場面が2回ほどありましたが、なんとか生き残って念願のiRacingインディ500初優勝を決めることができました。そして勝利のあとはやっぱりミルク。3時間のレースを戦ったあとの冷えたミルクはうまかった!

そして、今回改めて思ったのは3D VISIONの素晴らしさと優位さ。最高時速370キロを超える超高速オーバルでは、壁や他車との距離感が掴めていないと、僅かな判断ミスで壁にヒットすることになるんですね。試しに2Dで走ってみると、全然壁まで寄れない。寄ろうとするとヒットする。でも3Dだと壁との距離がきっちり把握できるので、毎ラップ&毎ターン壁まで安心して攻められます。もちろんその分、スピードも落ちにくくなるわけで、一石何鳥もありますね。プッシュ(アンダー)、ルース(オーバー)の感覚も鋭くなるので、マシンコントロールの面でも優位。昔は2Dでもある程度走れましたが、今は3Dに慣れてしまったこともあって、2Dではどのコースもまともに走れませんね。

さてさて、iRacingでは他にもたくさんのビッグイベントがあります。普段のオフィシャルレースとは一味違うので皆さん参加してみて下さいな!






■レース結果(リンク)
・車種/シリーズ:2015 iRacing.com Indy 500
・コース:Indianapolis Motor Speedway - IndyCar Oval
・予選12位/決勝1位(参加32台)

アナグリフメガネ(青赤メガネ・立体メガネ)で3D体験

NVIDIAユーザーであれば、アナグリフメガネ(青赤メガネ・立体メガネ)を用意するだけで(3D VISION対応のモニターが無くても)、iRacingなどのゲームを3D立体視で楽しめます。設定手順は、NVIDIAコントロールパネルの「ステレオスコピック3Dの設定」メニューで「ステレオスコピック3Dを有効」にしたうえで、ステレオスコピック3Dディスプレイのタイプで「3D Vision Discover」を選択するだけです。すると、ゲームは 以下の様な青赤表示になります。


これを、アナグリフメガネ(青赤メガネ・立体メガネ)を通してみることで、立体に見えるという訳です。

通常の3D VISIONと違い、色情報が大幅に失われる、目がチカチカする、画像がブレて見えるクロストーク現象が起きやすいといったデメリットはありますが、本格的に環境を揃える前に、3D立体視を体験してみたいという用途としては十分に使えるでしょう。

3D VISIONの立体感がどのくらいのものなのか、フレームレートがどうなるか、輻輳距離の設定で立体感がどのように変わるかなどが体験できます。

また、グーグルなどで「アナグリフ」「立体写真 青赤」などのキーワードで画像検索すると、様々な立体写真を楽しむこともできます。Youtubeにも3D専門のチャンネルがあり(https://www.youtube.com/user/3D)ここでも3D動画が見れます。

アナグリフメガネは、Amazonなどで購入できます。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00HHVVQXK

NVIDIAユーザーでなくとも体験できるように、iRacingのアナグリフスクリーンショットをいくつか用意しました。ぜひ全画面表示でお試し下さい。

1画面用
https://dl.dropboxusercontent.com/u/1213309/others/photos/3D_1monitor.zip
3画面用
https://dl.dropboxusercontent.com/u/1213309/others/photos/3D_3monitor.zip


セブリング12時間耐久レースに出場

3月28日に開催されたRoad Warriorシリーズ第2戦、セブリング12時間レースに参戦してきました。無事に完走してきましたので、事前準備や決勝の模様をレポートしたいと思います。

iRacingでは2014年にチーム戦が実装され、最大24時間まで耐久レースが開催できるようになりました。第1戦のデイトナ24時間は色々あって(予選でエプロン走って失格(*_*))出場できなかったので、自分が本格的に耐久レースに参加するのは、これが初めてになります。なお、セブリング12時間レースはP2クラス(HPD ARX-01C)と、GTクラス(RUF Truck、BMW Z4、Ford GT3、MP4-12C)の5車種による混走になります。

チームレースのエントリーやドライバー交代についてはこちらの公式ビデオが参考になります。
How-To: Team Racing & Driver Swap:https://youtu.be/NzLGe1hlfms

今回の耐久レースのチームメイトは、@kenny39_ さんと @ukfunk さん。使用車種はRUF Truckで、チーム名は「iRJA Flat Six Racing」です。ペイントは@kenny39_ さんデザインのオリジナル。ちなみに、日本からはほかに「iRJA GT Racing」と「iRJA Flat Six Racing(B)」の2チーム(3チーム合計10名)が参加しています。

チーム戦では、当日のドライブ以上に事前準備が大切になりますね。決勝前までにしたことをまとめておくと、

・チームメンバーの決定
・チーム名の決定
・チームの作成とメンバーの招待(iRacingのチーム機能で)
・本番用/予選用セットアップ作り
(使用した本番セットはコチラ https://dl.dropboxusercontent.com/u/1213309/others/setups/Sebring12H%20Flat6Racing%20Honbanset.sto
・作成したセットアップでの練習走行
・燃費と1スティントの長さの確認
・ペイントの作成
・予選出場
・当日の走行スケジュールの決定
・本戦へのエントリー(決勝開始30分前より。予選に出場した人がエントリーしていないとタイム無効に)

となります。思い返すと結構ありますね。自分はおもにセットアップの作成を担当。チームメンバーでドライビングスタイルも違うので、全員が無理なく走れるような安定したセットを作ることを目指しました。

また、1スティントが約1時間でしたので、12時間レースでは最大12スティントとなります。最初の予定では、各メンバーが1スティントずつ交代して走る予定を組みました。しかし、実際に進めてみると、1スティント(1時間)走る→2スティント分(2時間)休む→1スティント(1時間)走る、という流れは結構疲れるんですね。2時間空いてても仮眠は取れないので、疲れがほとんど取れません。

ですので、6時間経過したところから、2スティント交代にしました。こうすると、自分の番が回ってくるまでに最大で4時間休めますからね。今後、少人数で耐久レースに参加するときは、2スティント交代をオススメします。もし3人で回すとすると、皆が起きている序盤以外はスポッターがいなくなってしまう不都合がありますけど、レースが一度落ち着いてしまえば、案外なんとかなるものです。

さて、いよいよ決勝日です。セブリング12時間耐久レースには、373チーム、1000名以上のドライバーが参加しました。自分たちの「iRJA Flat Six Racing」は、3スプリット目のGTクラス予選2番手(総合12番手)。GTクラスのフロントローからのスタートとなりましたので、安全にスタートできる確率は高めです。ちなみに、予選タイムを記録したのが自分だったので、スタートドライバーも務めさせてもらいました。

どのレースでもスタートは緊張するものですが、長いレースではとにかく追突しないこと、追突されないことを最優先に考えます。1周めのターン2で、MP4-12Cがスピンして目の前を吹っ飛んでいくハプニングがありましたが、どうやら誰もダメージを受けずに済んだようです。後ろから煽ってくるドライバーはさっさと先に行かせます。序盤から下手にバトルに手を出して、事故に巻き込まれるのは怖いですからね。案の定、元気の良かったドライバーはその後スピンするなどして脱落していきます。安定セットにしていたので、パニックブレーキでも挙動を乱すこと無く切り抜けられました。



混走レースで気をつけたいのが、クラス違いの車にラップダウンにされるときです。開始直後の1スティント目では、2度、P2クラスに追いぬかれました。1スティント目はP2クラスもGTクラスも接近して走っているので、集団が集団を追い抜くという構図になり、かなり混乱します。ここで頼りになるのがスポッター。Relative表示を見ている余裕がなかなか無いので、接近してきているP2クラスとの距離や台数を教えてもらえるだけで、ずいぶんと楽になりました。

丁寧なスポッターのおかげもあって、P2と接触することもなく無事に1スティントを消化。無傷で @kenny39_ さんへとバトンタッチできました。この時点でクラス3位。

さて、その後はかなーり端折りますが、コネロスもあったりして6スティント消化したところで10〜12位あたりに後退。その後、一時6位前後に浮上しますが、不運なクラッシュ&修理に時間がかかり、最終的には総合27位クラス18位で無事にフィニッシュとなりました。

事前準備にかけた時間と比べたら、決勝はあれこれ考える余裕もないまま、本当にあっという間に過ぎていきます。走っているときは長いな〜と思っても、やっぱり終わってみるともっと走りたくなる。チーム耐久の次戦は7月11日のワトキンスグレン6時間。その後、8月1日のスパ・フランコルシャン24時間レースと続きます。年末には、ニュルブルクリンクノルドシュライフェでの24時間耐久レースもあるかもしれません。ぜひまた参加したいですね!